6年を経過してなお、SlideShare上でBookmarkが付く、PyCon JP 2011にて紹介したPyQtについての入門セッションが、PyQt5対応で帰ってきます。当時はPyQt4を対象にチュートリアル形式で発表しましたが、今回はPyQt5対応、GUIプログラミングはもちろんのこと、ネットワーク、マルチメディア系なども含むPyQtならではの便利な機能も積極的に紹介します。

Pythonは広範囲に利用できる強力なプログラミング言語です。これまでシステム管理系、Webアプケーション開発、そして現在ではデータ分析やAIプログラミングに利用されるように、その時代に合わせて利用シーンとユーザベースを拡大してきました。バイトコードインタプリタであるPythonがこのような適応性を持っているのは、強力なサードパーティー製拡張モジュールによるものであることに疑いの余地はないでしょう。このセッションでは、普段あまり言及されることのない強力な拡張モジュールであるPyQtを利用したプログラミングの概要を紹介し、これを用いたツール開発を開始できるようになることを目的とします。

PyQtは非常に強力かつ大規模なモジュールの集合として提供されています。QtはGUI分野で著名ですが、それ以外にもネットワーク、各種データコレクション・コンテナ、マルチメディア関連、Webインタフェースなど、多くの便利な機能が備わっています。これらの機能はQtCoreと呼ばれる仕組みにしたがって、統一的なAPIが定義されており、利用方法の基本部分を一旦理解してしまえば、あとは各コンポーネントの固有部分だけを参照しながら利用の幅を広げていける、優れた設計になっています。 このセッションでは、QtのPythonバインディングであるPyQtを取り上げ、その機能とプログラミングモデルを紹介・解説し、Qt が持つ強力な機能を活用したツール類の開発をスタートできるように導入部分を提供します。