従来、Unixプラットフォームでは、テキストの整形ツールとしてsed, awk, perlなど、ターミナルから利用するツールが多数開発され、利用されてきました。 Pythonも機能的にはテキスト整形ツールとして利用可能ではありますが、Pythonの文法は改行とインデントを必要とするため、ターミナルからワンライナーとして利用するには多くの困難があり、一般には利用されていません。 しかし、Pythonのテキスト処理機能やその他のモジュールは、ターミナルから利用できれば非常に便利です。また、sedなどのツールで使われる、短くて暗号的な記述より、Pythonの明快な記法でデータを処理できれば、システム管理のハードルも少しは下がるのではないでしょうか。 tse (https://github.com/atsuoishimoto/tse) は、ターミナルからコマンドとしてPythonスクリプトを実行するためのユーティリティで、awkのように入力ファイルを読み込み、指定したパターンにマッチした行に行う処理を記述できます。複雑なPythonスクリプトをコンソールから記入するための、便利なコマンド引数を用意しており、基礎的なPythonの知識があればすぐにデータ処理を行えます。 このセッションではtseの利用方法と仕組みを紹介し、Pythonをより日常的なツールとして活用する方法を解説します。